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2018.06.02 Sat
河原崎貴の「鉄のフライパン」その1長野県にて、鉄の道具を作る河原崎貴(かわらざきたかし)。
6/6(水)から阪急うめだ本店で始まる「民藝と暮らす 2018」にて、
SMLのコーナーでは、河原崎さんの鉄の道具をご紹介することになりました。
SMLの店頭では今までご紹介の機会がなかった、河原崎さんの道具。
今回は、「鉄のフライパン」にスポットを当て、その魅力をお伝えしていきたいと思います。
河原崎さんは、長野県伊那市に工房と自宅を構えています。
平野というよりも山あいで、家々と田畑が山を縫うように点在している静かな土地です。
元々は東京で10年ほど、会社勤務をしていた河原崎さん。
鉄の道へのきっかけは、たまたま知り合った鍛冶職人の存在でした。
退職し、訓練校を経て、長野県内の鍛治工房にて働き始め、1年で独立。35歳でした。
周囲には、「きっとやっていけないからやめた方がいい」と止める人も多くいましたが、河原崎さんに迷いはなかったと言います。
河原崎さんの作り方は、「鍛造(たんぞう)」と呼ばれるもの。
はじめに鉄を大まかな形にカット。
それを熱し、軟らかくなった状態で、叩いて形を作っていきます。
工業製品は、同じ鍛造でも、機械と型でプレスされることがほとんどですが、
手仕事の職人は、ひとつひとつをハンマーで叩いて作り上げます。
形が作られるのはもちろんですが、
叩くことで、鉄の内側の密度がギュッと増します。
これによって、鉄がより丈夫に、強くなるのです。
また、フライパンの場合は、熱しながら叩くことで
表面に「酸化皮膜」という良いサビ(黒サビ)がつきます。
これが傷や悪いサビ(赤サビ)を防ぐ役割をしてくれることで、
より使いやすく、安心なフライパンとなるのです。
この取っ手もポイント。
輪っかになっているので、キッチンに引っ掛けておくこともできます。
これは、細い棒状の鉄を折り曲げて、くっ付けています。
熱すると軟らかくなる鉄は、こういう曲線も美しく表現することができるのです。
次回の記事では、鉄のフライパンならではの良さ・魅力を
スタッフが調理したときの写真を混じえながらご紹介したいと思います。