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2014.05.29 Thu

さようなら、安西さん。

今日、3月19日に71歳でお亡くなりになられた
イラストレーター/エッセイストの安西水丸さんのお別れ会に行ってきました。
安西さんとは、お店ができた当初からのお付き合いで、恵比寿店近くでお仕事があった際、
その前後に寄ってくださり「このお店に来るのが楽しみなんだよ」とおっしゃってくださっていました。
特にスリップウェアがお好きで、店内を見回した後には「ちょっといい?」と言ってバックヤードに入っていき、
少年のような眼でうつわをご覧になっていました。
鈴木稔さん、齊藤十郎さんなどお気に入りの作家さんの工房へも足を運ばれていました。
お店でうつわを手に取り「ここ好きだ」「ここがイマイチだ」と穏やかに話されていたのを思い出します。
「民藝」にも造詣が深く、たくさん勉強させていただきました。
まだお店をはじめたばかりで自信もなく、ただただ進むしかなかったSMLに、安西さんの存在は大きかったのです。
目利きで、モノ好きで有名な安西さんが足を運んでくれる。
それだけで自信につながりました。
うれしくてうれしくてたまりませんでした。
SML監修の本が出版される際に、帯に推奨文を書いていただきました。
快く引き受けていただき、本当にスタッフ一同とてもうれしかったです。
そこに書いていただいた文章に、普段あまり多くを話されない安西さんの思いを感じました。
 
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SML監修「最高に美しいうつわ」推奨文
 
その土地に如何なる陶芸の伝統があろうと、
その土地に如何なる高度な土が採れようと、
その土地に如何なるベテランの陶芸家がいようと、
センスがなければどうしようもない。
 
仮にセンスのある陶芸家がいたとしても、
それを流通する場所がなければ陶芸家の生活は干上がってしまう。
流通する場所があったとしても、それを扱う人の目が鈍っていたらどうしようもない。
店には奇妙きてれつな製品が並ぶことになる。
 
これは陶芸に関していつもぼくがおもっている持論である。
SMLは、いつ行ってもそんなぼくを満足させてくれる。
こんな店のあることがうれしい。
 
安西水丸
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思い出が溢れてきます。
 
安西さん。ありがとうございました。
そして、さようなら。
 
SML ディレクター 宇野昇平