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2017.07.08 Sat
平岩愛子さん工房見学レポート好評開催中の「下地康子×平岩愛子」二人展も、会期残りわずかとなりました。
今回のブログでは、平岩愛子さんの工房見学レポートをお届けします!
まず初めにプロフィールをご紹介。
平岩愛子(ひらいわ・あいこ)さんは、
美大卒業後に沖縄の奥原硝子製造所に入社され、
現代の名工・桃原正男氏の元で7年間、沖縄ガラスの技術を学ばれました。
そして2009年に、ご出身地でもある東京都青梅市に、ガラス工房「glass studio Rainbow Leaf」を設立され、吹きガラスを中心とした制作活動を続けていらっしゃいます。
平岩愛子さんホームページ(http://www.rainbowleaf.jp/)
それでは、工房の様子をご案内いたします。
明るく、カフェのような洗練された外観。
窓や扉からは、併設されている展示販売スペースや、制作の様子を伺うことができます。
見学の合間にも下校途中の小学生と平岩さんが、窓越しに楽しく会話をされていました。
平岩さんのお人柄もあるのでしょうが、見学する私達にとっても、とても居心地のよい空間でした!
工房の周りには植物がたくさん。
平岩さんのガラス作品は、「再生ガラス」の技法で作られており、
廃瓶を再利用して、ひとつひとつ手作りされています。
工房の一角には、材料となる瓶のかけらが色毎に分けられ、出番を待っています。
こちらが原料となる瓶。
特別なものではなく、一升瓶やビール瓶など、身近な素材が原料となります。
工房には、電気窯が2つと、仕上げ用のガス窯が1つに、徐冷するための炉が一つ。
写真で、中が赤く光っているのは電気窯です。
この中にある「るつぼ」の中から、棒の先端に溶けたガラスを巻き付け、
「てつりん」と呼ばれる道具で形を整えます。
棒の中心には吹き矢のごとく穴があいており、
息を吹き込み、さらに形を整えて行きます。
この際に、型に吹き込む場合や、モールとよばれる波模様をつけることもあります。
形を整えたあと、底の部分に棒を付け替え、
元々の棒を切り離し、口の部分の成型を行います。
見学の際は、仕上げ用の窯の温度が低い状態でしたので、今回のデモンストレーションはここまで。
今回、急なリクエストに応えてくださった平岩さん。
本当にありがとうございました!
工房の中での平岩さんの動きは無駄が無く、キビキビと作業を進められていたのが印象的だったのですが、
実際、再生ガラスは通常の原料ガラスよりも、
高温で作業をする必要があり、窯から出してからのスピード感が求められます。
平岩さんは、元々再生ガラスの「リサイクル」という視点というよりも
色や質感に心を打たれて、現在の活動に至っていらっしゃるのですが、
この制作時に求められるスピード感、というのもご自身の性格に合っている、とおっしゃっていたのが印象的でした。
工房内にある様々な型や道具。こちらは口の部分を花形にするための道具。
他にも、型や形を整えるための道具がたくさん。
こちらが、工房に併設された販売スペース。
素敵な作品が所狭しと並んでおり、実際に買う事もできます。
こちらは2014年に日本民藝館展で奨励賞を受賞されたモール皿。(賞状もとってもカワイイですね!)
「ヒッチーグラス」
「ティンガーラ」シリーズ
平岩さんの作品には、シリーズ名に沖縄の方言がちりばめられていて、
「しょっちゅう」の意味である「ヒッチー」から名付けられた「ヒッチーグラス」や、
天の川を意味する「ティンガーラ」シリーズなど、
平岩さんの制作のルーツでもある、沖縄への愛情が強く感じられます。
今回の2人展でも、沢山のグラスや小鉢、花器などを取り揃えてくださいました。
残りわずかの会期となりますが、まだまだお選びいただけますので、
ぜひお立ち寄りください。会期中は毎日20時まで、オープンしております。
- 「下地康子×平岩愛子」 二人展
2017年7月1日(土)〜7月11日(火)
OPEN 12:00-20:00
土日祝 11:00-